酸化アルミニウム・アルミナ

酸化アルミニウム（アルミナ）は、多くの産業用セラミックのコア材料を形成しています。高融点で硬く脆い特性を持ち、電気伝導率が低く、熱安定性に優れています。

コランダムは、主にコランダム-アルミナと呼ばれる安定した菱面体の結晶形態を持つアルミナ（a-Al2O3）から構成され、微量のクロムがその特徴的な赤い色合いを提供する一方で、鉄とチタンはルビーのようなブルーサファイアの宝石質の品種のための青いサファイアの色合いに貢献している。

金属

酸化アルミナは金属製造に不可欠な材料であり、アルミニウム金属合金の製造に使用される。融点が高く、耐熱性に優れているため、キルンやセラミック、炉の内張りによく使用される。酸化アルミナはまた、その強度、軽量性、弾道特性により、民間および軍事用装甲の製造に不可欠な役割を果たしている。

酸化アルミニウム（アルミナ）は、アルミナ精錬所でボーキサイト鉱石を精錬して生産される。このプロセスは通常、大きなケーブルで電力に接続された何百もの還元セルを含む、推定1キロメートルに及ぶ大きな長方形の建物で行われる。

コランダムは酸化アルミニウムの中で最も広く普及しているもので、硬度ではダイヤモンドに次ぐ。宝石質のコランダムにはルビーやサファイアがあり、その豊かな色はクロム、鉄、チタンなどの微量不純物によるものである。コランダムは、切削工具の主成分として、またその表面で使用される多くの研磨剤として使用されている。

製油所では、炭化水素を合成ガス（合成燃料）に転換するための自己熱改質など、複雑な熱化学的および熱機械的プロセスで使用される工業用耐火物のベースとして、酸化アルミナを使用しています。高純度アルミナセラミックスは、このような用途の成功に必要な優れた化学的不活性を提供します。

アルミナは、クラウス・プロセスによる元素状硫黄の生産や、アルコールからアルケンへの変換など、製油所で行われる反応を促進する触媒としてしばしば使用される。

アルミナは、セメントやコンクリート製品の引張強度、耐久性、耐食性、耐環境性を高めるために添加されることが多い。また、接着強度、弾力性、耐薬品性を高めるために、接着剤やシーリング材にもアルミナを添加することができる。さらに、歯科用インプラントや補綴器具の製造にも広く使用されている。

コランダム

酸化アルミニウム（化学式Al2O3で知られる）は、多くの用途を持つ万能化合物である。また、ルビーやサファイアのような貴重な宝石として天然に存在することもある。

コランダムは、複雑な六方最密充填構造と豊富な酸素イオンを持つ酸化アルミニウムであり、その3分の2は利用可能な八面体間隙を埋め、残りの空間はAl3+イオンが他の原子と結合して、安定化に必要な電荷バランスをとる陽イオンのない中性構造を形成している。

天然のコランダムは、火成岩、変成岩、堆積岩で見つけることができる。主要な鉱床はオーストラリア、ブラジル、インド、ミャンマー（ビルマ）に存在する。

純コランダムはまた、工業用およびそれ以外でも、特に高純度アルミナの製造工程の一部として、研磨材として広く使用されている。純コランダムは表面が硬く耐久性があるため、耐摩耗性を高めるために少量の炭素、二酸化ケイ素、酸化マンガンを含むことが多い。

コランダムは触媒としても利用できる。水や他の極性分子を吸収するため、吸着クロマトグラフィーに使用できる。さらに、その触媒特性により、硫化水素から硫黄を除去し、アルコールを脱水し、オレフィンを異性化することができる。

コランダムの結晶構造は、その組成内に存在する不純物（異なる色に寄与する元素置換基を含む）によって大きく変化することがある。ルビーとサファイアの色は、それぞれその中に微量に含まれるFe2+イオンとクロムイオンによるものである。

コランダムは非常に弾力性のある素材で、用途に応じて様々な形状やサイズに加工することができる。研磨製品用に加工されるほか、高温耐性や良好な電気絶縁性を必要とする用途にも使用される。また、接合・成形技術により、優れた耐摩耗特性を持つ微粒アルミナ材を製造することができ、優れた耐摩耗特性を有する。

難燃剤

酸化アルミニウムは難燃剤として多くの用途に使用されており、電子機器に使用されるプリント基板（PCB）の絶縁体としてもよく使用されています。部品間の電流の流れを遮断する酸化アルミニウムの能力は、電気システムの安全性と絶縁性を提供し、その絶縁特性は短絡のリスクと製品損傷のリスクを低減します。

難燃性は、熱をゆっくりと吸収・放出する能力に由来し、製品が燃えやすくなるのを防ぐ。有機難燃剤やハロゲン系難燃剤の代替品としての使用は、環境への悪影響から徐々に廃止されつつある。

一般的にATHと呼ばれる三水酸化アルミニウムは、今日広く使用されている効率的な水酸化アルミニウム系難燃剤です。分解時に有毒ガスを発生し、環境問題を引き起こすハロゲン系化学物質の効果的な代替品です。金属水酸化物化合物は毒性がなく、加熱すると水と不活性酸化物に分解する。さらに、ポリ臭化ビフェニルエーテル（PBDE）などの有機臭素化合物よりも環境に優しい。ポリ臭化ビフェニルエーテル（PBDE）のような有機臭素系化合物よりも環境に優しい。これらはここ数年、難燃性化学物質の主流となっている。

酸化アルミニウム・アルミナは、その難燃性を高めるために、製造過程で多くの処理が施される。粗い粒子を選別し、均一な粒度分布を確保するために、シランが表面に塗布されます。これは、様々な材料との分散を改善し、分散プロセスを助けるのに役立ちます。最後に、熱衝撃処理により難燃性をさらに向上させます。

難燃性に加え、ATHは卓越した酸化安定性を示すため、接触するポリマーやその他の製品の寿命を延ばすことができる。さらに、適度な熱や湿度による老化条件下でも移行しにくく、表面積が大きいため、ポリマーに混ぜると機械的特性が向上します。

プラスチック

アルミナは、ガラスを作ったり、金属を熱から絶縁するためにコーティングしたりするのに使われる不活性材料で、溶かして鋳造して形を作ることもできる。酸化アルミニウムは炉や点火プラグの断熱材としても機能し、高融点、低比重、耐火性によりセラミック製造が可能である。

硬質で生体不活性なセラミックは、人工股関節のベアリング、歯科インプラント、組織補強材として選ばれている素材です。さらに、セラミックは、人工膝やステントなどの医療機器や、るつぼ炉などの実験器具にも使われています。

コランダムは、ブラジルやスリランカ産のルビーやサファイアなど、深い色合いを持つ宝石質のルビーやサファイアに見られる酸化アルミナの一種です。しかし、その色は純粋な酸化アルミニウムからではなく、鉄やチタンなどの微量な不純物が含まれているため、特徴的な色合いになります。また、その硬度から、切削工具用の研磨剤に加工することもできる。

アルミナが水に溶けるとすぐに水酸基が形成され、タンパク質と相互作用して様々な金属合金に比べて濡れ性が向上するため、アルミナは腐食防止コーティング材として理想的な候補となる。アルミナはまた、セラミック装飾やアルミニウム部品の陽極酸化処理として使用する硬質釉薬を製造するために、窯の粘土混和剤として頻繁に使用される。

酸化アルミニウムは研磨剤、セラミック、一部のプラスチックの製造に使用される。さらに、炉の断熱材や金属鋳物、熱電対（温度測定器）のシースとして使用するために、溶かして成形することもできる。この熱電対は、ゼーベック効果を利用したもので、温度の異なる2本の金属線の一端をはんだ接合で接合した後、他端をセラミックや耐火物に取り付けることで、温度の高い方の端にある冷たい金属からの熱損失を防ぎ、電位差を生じさせ、電子機器を使って電子的に測定することができる。